HPV

AVSSは低価格なHPV型別遺伝子診断を提供します。

―子宮頚がんは予防できる癌ですー

 子宮頚がんはヒトパピローマウイルスHPV(Human Papilloma Virus)の感染により引き起こされますが、ウイルス感染から発症までは10年ほどかかるといわれています。そのため子宮頚がんは早期に発見することにより予防可能ながんであるといわれています。しかしながら我が国の子宮頚がんの検診率は20%程度と欧米の80~90%に比べて極めて低いのが実情です。その結果、我が国ではドイツと並んで先進国の中では子宮頚がんでの死亡率が高くなっています。

日本の子宮頸がん検診受診率22%、子宮がんによる国別死亡率はドイツに次いで2位

 我が国においては子宮頚がんの検診は2年に一度受けることが奨励されていますが、婦人科での検診を行わなくてはならないため、積極的に検診を行う方が少ないのが実情です。近年20代から40代にかけての子宮頚がんの発生件数が急速に増加しているにもかかわらず、若い年齢層の方の検診率がとりわけ低く、検診率をあげるための積極的な対策が必要とされています。

子宮頸がん健診における年代別がん発見率

 子宮頚がんは前がん状態で見つける事ができれば適切な治療を行えます。この段階での治療により子宮頚がんへの進行を止める事ができます。即ち、子宮頚がんは予防が可能ながんなのです。そのためには子宮頚がんの検診を定期的に受け、前がん状態を見つける事が最も重要です。我が国の癌検診では30歳以上での検診が進められていますが、子宮頚がんはその発症が年々若年齢層に広がっているため、できるだけ若い年齢(できれば20歳代から)での検診が推奨されます。

―子宮頚がんの検査とはー

 従来子宮頚がんの検査は細胞診が中心に進められてきました。細胞診とは子宮頚部の細胞を取り、実際に癌細胞があるか調べる方法です。ところが細胞診断はヒトの目で判断するため見落とし等が多く 精度が低い(60-80%)、という欠点があります。ドイツのZur Hauzen博士が子宮頚がんがヒトパピローマウイルス(HPV)が原因であることを見つけて以来、実際にこのウイルスに感染しているかどうか調べることで子宮頚がんになりやすさが分かるようになってきました。そこで欧米では最近、細胞診検査をより確実にするためにHPVの感染を遺伝子で診断することが普及してきました。その結果遺伝子診断と細胞診断を併用すると精度がほぼ100%程度まで上がることが分かってきました。HPVに感染するだけでは必ずしも子宮頚がんになるわけではありません。むしろHPV感染はごく当たり前の事で殆どすべての人が一生に一度はHPVに感染するといわれています。しかも、HPVに感染しても2年以内に9割の人からはHPVが消えていなくなってしまいます。HPVの遺伝子診断法は、非常に感度が高く、我が国でも20代女性の20%即ち5人に一人はHPVに感染している事がわかっています。

HPV感染率

 今日ではHPVには100種類にも及ぶ型が存在することがわかってきました。ただし、癌を引き起こすのはその中の10種類程です(これらを高発癌型:HR(High Risk)と言います)。HPVに感染していてもその型がHRでなければ子宮頚がんになる危険性は低いと考えられます。最近ではHPVのこの型を調べる検査法が開発されています。遺伝子型別検査を行えばより高い確率で子宮頚がんの危険性を知ることができます。しかしながら遺伝子検査はその費用が高いことが難点です。1検査20,000円程の費用がかかります。これでは子宮頚がんの検査を多くの人が安心して受ける事はできません。この問題を解決するためAVSSは低価格でHPV遺伝子の型判別を行うシステムを開発しました。

―AVSS―HPV型別診断システムー

AVSSが提供するHPV型別診断システム

HPV遺伝子検査はその結果を踏まえて医師の指導のもとにその後の治療方針を立てて行く必要があります。AVSSでは沖縄県豊見城中央病院婦人科部長前濱俊之医師(NPO法人子宮頚がんを考える市民の会 理事長)の指導のもとに以下のような指針を提唱しています。

検診で細胞診断、HPV遺伝子検査ともに陰性の場合は、子宮頚がんの危険性はありませんが、HPVは繰り返し感染を起こすため、2年に一度は、検診を欠かさず受けましょう。

細胞診断が陽性でかつHPV16型または18型陽性の場合は直ちにコルポ診断などの精密検査を行うことが米国産婦人科学会の最新の子宮頚がん検診ガイドラインで推奨されています。世界中の子宮頚がんの患者さんの70%程がHPV16型または18型のため最も子宮頚がんになりやすいと考えられています。そのためより正確に診断できるコルポ診断を行います。

HPV遺伝子陽性の場合は所謂HR型と言われる型の場合でも細胞診断に異常が見られない場合は6カ月程度の後に再検査を行います。次の検査で多くの場合はHPVが消失して行きますが(一般に1年後の検査で70%、2年後の検査で90%の方が陰性に変わるといわれています)、検査のたびに同じ型のHPVが検出される場合は子宮頚がんになる確率が高いと判断されます。ただし、検査ごとに異なる型のHPVが検出される場合は子宮頚がんになるリスクは低いと考えられています。定期的な検診を続ける事で子宮頚がんを初期に見つける事が出来るため、通常の2年に一度の検査ではなく6カ月に一度検査を続け子宮頚がんの早期発見を行います。継続した検査の途中でHPVが陰性になれば2年に一度の検査に戻ります。

しかしながら、このように頻繁に検査を続けるにはその検査費用が大きな問題となります。子宮頚がんの検診率の向上には検査費用をできるだけ安く抑える事が大きな課題です。AVSS-HPV型判別システムがこの課題の克服に少しでも貢献できると期待しています。

AVSSのシステムは、1検体あたり4,000円(税抜)の低コストです。AVSSのHPV型別遺伝子診断はPCR法を基礎としているため極めて高感度です。AVSSのHPV遺伝子型判別で陽性と判定された場合はRFLP解析や直接の塩基配列を決定する方法等を組み合わせてそれぞれのHPV型を決定して報告します。HRにかかわらずすべての型判別を行って報告いたします。結果は検体を受け取ってから通常1週間以内に報告いたします。HR以外のすべての型を決める理由は、HR型以外のHPVも頻度は低いものの継続的に感染を続ける場合には子宮頚がんを引き起こす事があるからです。

AVSS HPV型別診断システム:定価4,000円(税抜)
検査内容: MY-PCR法による陽性・陰性診断
陽性検体:HPV型別解析 (RFLP法、塩基配列決定法)
検査期間: 検体受領後通常1週間以内に結果報告

若い女性の子宮頚がん検診率の向上の手段としてAVSSは妊娠時の検査項目にHPV遺伝子診断を加える事を提案します。